あなたが今どのステージにいるかで違ってきますので、ステージ1からスタートするか、ステージ2からスタートするか、判断分けをまず解説します。
あなたが、
「メンタル以外の健康状態はとりあえず大丈夫」ということであれば、ステージ2から進んでください。
目安としては、
※眠れない・起きれない・食欲が無い・胸が苦しい・ふるえるレベルの、強い不安感や動悸・呼吸が苦しい症状があるかどうかです。
あるならば、ステージ1からスタートします。
そこまでひどくはなく、なんとか日常生活は送れるレベルならば、ステージ2から進んでください。
ステージ1:健康状態をまず回復させなければいけないレベル
このレベルでは、まずあなたの健康上の心配があります。
そして、今の健康状態でマインド系のワークを行っても、上手く効果は出せません。(本来ならこの本書を読むことすら辛くて、やっとの方も多いでしょう)
今の段階では、まずは日常生活が送れるレベルまで身体を回復させるために、心療内科でお薬をもらってください。
基本は、向精神薬と睡眠薬が処方されます。
人それぞれの症状やレベルに合わせて、お薬の種類や成分の量が変わってきます。
効果としては、
神経伝達ホルモンの量・流れの調整をしたり、
脳の海馬など各ダメージ部位の回復をしたり、
リズム良く眠れるようにしたり、
食欲を回復したりします。
私も経験しましたが、かなり効果があり、「重い腰を上げて行って良かった」と思えました。
例えば、ドラッグストアなどでも睡眠導入剤などありますが、効果が薄かったり、最初は効いても体の耐性で効果が薄れていったりします。
そして、健康保険がきかないのでお金がかかります。
一方、お医者さんで処方してもらえば、健康保険がきいて安価ですし、症状やレベルに合わせて・効果が高く・持続性も良く・依存性が無い、良いお薬を処方してもらえます。
とにかく、まずはあなたの健康上の心配がありますのと、マインドワークでしっかり効果を出すためにも、日常生活が送れるレベルまで身体を回復させてください。
ネット検索で
「地域名 心療内科」「地域名 精神科」
で検索すると候補の病院が見つかります。
完全予約制で日数を持たないといけない病院もあれば、当日予約なしで診てもらえる病院もあったり色々です。
サイト上で確認したり、電話で色々な病院に聞いてみたりしましょう。
ステージ2:マインドワークによって生きる目的を見出していけるレベル
生きる目的を見出す具体的なワークになるわけですが、その前にもう少しだけ基本的なお話をさせてください。
「生きる目的を見出す具体的なワーク」が「ステージ2の項目2」だとしたら、もっと基本の「ステージ2の項目1」のお話です。
【ステージ2の項目1】
ちまたでよく言われるのは、
「土台である脳の思考を整えましょう」
「土台である脳のOSをアップデートしましょう」
「栄養とか運動とか睡眠なんてどうでもいい」
などという指導者も多いですが、
もっと根本の土台を整えることも重要だと、私は考えますし、自分自身の経験としてもそうでした。
パソコンやスマホに例えて、「OSをアップデートしましょう」ということですが、OSはあくまでプログラムであり、脳で言えば思考パターンです。
ですが、それは土台ではなく、
例えば、OSというプログラムは、ストレージ(ハードディスクやSSD)という機械部分に書き込まれます。それが本当の土台です。
そして、CPUやメモリなどを使って、読み書き計算などがされます。
ですので、OSが書き込まれるストレージが故障していると、OSをいくらアップデートしようと、エラーで正常に書き込み・読み出しができないのです。
あなたの脳も同じように、思考パターンは、脳細胞・神経細胞・神経伝達ホルモンなどの身体機能によって、読み書き計算などがされます。
ですので、脳細胞・神経細胞・神経伝達ホルモンなどの身体機能に問題あれば、いくら思考パターンを書き換えしようとも、正常になされないのです。
実際に、脳の海馬という部位は、睡眠不足・運動不足・栄養不足・ストレスの要因で委縮してしまうことが、科学的に証明されています。
そういった土台の、さらに土台の部分をないがしろにはできません。
現代人はここが、ないがしろになっている方がとても多いです。
そこをまず整えていただきたいというお話をしますが、あくまで何となくの基本だけ覚えていただければそれで良いです。
細かい勉強や、お金をかける必要はありません。
それでは基本的な、食事・運動・睡眠のお話をしていきます。
【食事を整える必要があります】
現代の日本人は、炭水化物(糖質と食物繊維が合体した物)に偏った飲食がとても多いです。
品種改良によって糖度やデンプン質が多くなった、ご飯・パン・麺類・野菜・果物、飲料なら砂糖たっぷりのジュース類です。
血糖値が急激に上がり、それを抑えるホルモンの作用で逆に急激に下がったりと、血糖値の乱高下が激しいです。
あなたの脳のエネルギー源は、その多くが糖質になります。
つまり血糖値の乱高下は、思考の乱高下にもなるのです。
だからと言っても、あまりにも栄養素のお話などに細かくこだわりすぎると、それ自体がストレスになってしまい、本来の目的からずれてしまいますので、ここでは基本の簡単なお話だけしますので、何となくで良いので、意識していただきたいです。
その意識とは、
タンパク質を(1)、炭水化物を(1)、野菜を(1)という、
「1:1:1」の法則です。
正確に測ったりなどしなくて良いですので、なんとなく1:1:1をイメージして飲食するようにしましょう。
中でも、タンパク質でお魚をしっかり取り入れてください。
脳を構成している成分で一番多いのが、脂質になります。
中でも、脳機能に良いのがオメガ3脂肪酸で、DHAやEPAになります。絶対に必要な成分ですので、「必須脂肪酸」に指定されています。
お魚であれば、タンパク質(必須アミノ酸)と良質な脂質である必須脂肪酸が両方摂れます。鯖缶など骨も含めればカルシウムも摂れます。
脳細胞も神経細胞も神経伝達ホルモンも、材料はタンパク質と脂質が主ですので、絶対に欠かせないのです。
もちろんバランスも大切ですので、お肉・魚介類・卵・大豆製品をバランス良く摂りましょう。
そして、どうしても食欲が無くて固形物を食べれないという方は、スーパーやドラッグストアで売っているプロテイン(タンパク質)や野菜サプリメントで摂っても良いです。
メンタルに良い食事とサプリメント
幸せホルモンとも呼ばれる、脳の神経伝達物資に『セロトニン』があります。
このセロトニン自体も、不安感を抑えたり幸福感をもたらす大切なものですが、このセロトニンから『メラトニン』も作られます。メラトニンは眠気に作用する、いわば睡眠ホルモンのようなものです。
心身の健康には、『セロトニン』が欠かせません。
ですので、うつ病などで心療内科や精神科に行くと、睡眠薬だけでなく、向精神薬としてセロトニンの流れを良くするお薬が処方されます。
ステージ1でもお話したように、本当に日常生活も難しいレベルの場合は、本書のワークも難しいですので、病院でお薬をもらって飲むことをおすすめしています。
ですが、そこまでの重症ではなく日常生活ができるレベルであっても、セロトニンが不足している人は多いです。
「なんとなく憂鬱、元気がない、不安感が大きい、幸福感を感じにくい」という場合は、もちろんメンタルケアも大切ですが、根本の体作りが上手くできていない場合もあります。
セロトニンをしっかり作る方法としては、まず日光浴があります。
春夏は15分程度、秋冬は30分程度が必要になりますが、メンタルが辛いときは、「外に出る気力もない」「誰にも会いたくない」ということもあるでしょうし、特に女性の方はスキンケアで紫外線対策をされていると、セロトニンが上手く作られません。
そこで、それらを補う方法として、ビタミンDの摂取をおすすめします。
ビタミンDはセロトニンの調整機能があることが分かっています。
ビタミンDは、ドラッグストアでサプリメントとして売っていますし、食事でも摂れます。(日光浴でも作られます)
食材としては、サケ・マグロ・サバなどの脂肪性の魚および魚類肝臓、牛のレバー、バター、チーズ、卵黄、きのこ類(きくらげ・しいたけ・まいたけ)に多く含まれています。
また、セロトニンの9割が腸で作られますので、腸の健康はとても重要です。
善玉菌が摂取できる発酵食品を摂り、さらに善玉菌のエサになる食物繊維が摂取できる野菜・海藻類・キノコ類・果物を摂るようにしましょう。
【運動不足の方には必要です】
(※肉体労働や家事育児で忙しい方には、逆に運動はおすすめせず、休養したほうが良いです)
運動は、「病院で処方される向精神薬よりも、うつの改善効果が高い」という研究結果が多数出てきています。
まず運動によって、成長ホルモンがしっかり分泌されます。成長ホルモンは代謝を促進してくれます。
女性の方なら「新陳代謝」という言葉をよく耳にすると思いますが、お肌の細胞の入れ替えですね。
細胞というのは、お肌だけではありません。人間の体は約60兆個の細胞で作られています。お肌だけでなく、爪も髪の毛も、筋肉も臓器も血管も、血液や免疫も細胞です。
そして、あなたの脳も神経も細胞なのです。
お肌や血管と同じように、代謝(細胞の入れ替え)が悪くなれば、汚く・もろく・ハリが無く・ボロボロになってしまうわけです。
これでは思考も正しくできません。
そして、運動効果は他にもあり、セロトニンやドーパミンなどの「幸せホルモン」の分泌も促進してくれます。
また、脳や全身の血流も良くなりますし、メンタルだけでなく健康全体に良い影響があります。
ではどんな運動が良いか?ですが、
よく精神科医などは「朝散歩しなさい」なんて言いますが、うつの方にとっては、外に出たり人に会うことがストレスだったりしますし、そもそも朝起きれない方も多いわけです。
もちろん朝散歩できれば理想ですが、無理はいけません。
室内での軽い筋トレが良いです。
理想としては、ダンベルを使って全身をバランスよくエクササイズするのが良いのですが、今の時点ではそこまで精神的にも経済的にも余裕がない方が多いと思いますので、2種類だけ、エクササイズの動画をご紹介します。
(ダンベルを使った全身運動や健康ダイエットを本格的にやりたい方には、私の教材を特別に無料プレゼントしますので、個別に言ってください)
①下半身のバックランジ
②上半身のプッシュアップ
【睡眠は大切です】
慢性的な寝不足や睡眠の乱れがあると、色々な生活習慣病だけでなく、脳が委縮し、うつ病のリスクを上げることがわかっています。
「忙しい・不安・怒りで眠れない」というのも、もちろん分かります。
でも、できることが二つほどありますので、やってみてください。
(また逆に、本書で実践するワークによって眠れるようになるという要素もあります)
①無理に眠らなくても良い
無理に昏睡状態で眠る必要はありません。
目を閉じて横になるだけでも全然違います。
人体は、横になって負荷を抜くだけでも、代謝が上がったり全身の血行が良くなります。
それだけでも効果がありますし、「無理に昏睡状態にならなくても良い」と考えることでリラックスでき、「気が付いたら眠っていた」ということもありますので、それくらいの感じでも良いのです。
②睡眠導入剤
あまりにも眠れなくて苦しい場合は、医療の力を借りることも大切だと思います。
無理にガマンしたり、マインドだけで解決しようとして健康を害してしまっては意味がありません。
ドラッグストアなどでも睡眠導入剤が手に入りますが、効果が薄かったり、最初は効いても体の耐性で効果が薄れていったりします。
そして、健康保険がきかないのでお金がかかります。
一方、お医者さんで処方してもらえば、健康保険がきいて安価ですし、症状やレベルに合わせて・効果が高く・持続性も良く・依存性が無い、良いお薬を処方してもらえます。
心療内科・精神科に行き、「あまりにも眠れなくて苦しい」という症状を訴えれば、睡眠薬を処方してもらえます。
種類も用量も色々あって、適切に調整してくれます。
ということで、「心と同時に身体の健康状態も整える必要がある」という解説でした。
あまりこだわりすぎるとキリがないのですが、基本を外すとやはり心身は不調になりますので、基本は守るようにしましょう。
そのうえで、本書のマインドワークを行ってください。